プレストネット工法

地山に先行して抵抗力を与え、初期崩壊を未然に防止することによって災害発生を防ぎ、自然景観を保全する工法です。


プレストネット工法の概要

プレストネット工法は、一定の先行引張力(受圧板に10~30kN)をロックボルトに与え、ロックボルト頭部に設置した受圧板を連結することにより、あらかじめ緊張を与えておくことで 土中の拘束力を高め、崩壊に対する先行抵抗力を初期状態から保持させておくことにより崩壊を未然に防ぐことができます。 また、立木を残して自由に配置を計画でき、受圧板などの部材が緑化工事で隠れるので、完全な自然回復が可能となる工法です。
従来のコンクリート吹付法枠に替わる工法
部材は100%工場製作
逆巻き工法が容易にできる
部品が最大15kg程度。人力作業で簡単に組み立て可能
コストや工程の短縮が可能(コスト約16%、工事期間約33%)
クレーン等の機械の侵入が不可能な場所でも施工可能
補強土留壁等の仮設土留での利用が可能
部材が鋼製のため、法面の返上計測が容易
【施工直後】
【施工後3ヶ月】

補強効果

様々な部品を組み合わせた補強土工法で、個々の補強効果はロックボルトの頭部連結等を行います。
ロックボルト単独に比べてせん断変位5mmで約60%、20mmで約40%の補強効果が認められます。
大型せん断試験機断面図 せん断力-変位関係(ゾーンせん断試験)

先行荷重

●ロックボルトに受圧板を取り付け、サラバネを介して地山に先行荷重としてN=10~30kNの引張力を与え、引張力をロックボルトンの定着部に直接作用させ、表層部分の土のせん断抵抗力を増加させます。
●ロックボルト間をネット状に連結した鋼棒にターンバックルで引張力を与えることで、ロックボルト群全体を拘束し、地山全体の一体化を可能にします。
先行荷重模式図