地球環境への負荷を限りなくゼロにするために
植物発生材のリサイクルゼロミッション構想
 

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資源を活用し、ゼロエミッションに近づけた 循環型社会の構築に向かう「植物誘導吹付工」
 植物は光合成により、空気中の二酸化炭素の吸収・貯蔵を行い、酸素を放出しています。
この際、植物は蒸散作用により、夏は冷却効果・冬は保温効果の調整をします。しかし、建設工事等では、これら環境を守る植物を除去しなければならない場合が多く発生するため、再生可能な植物資源を有効に活用し、多様な土壌微生物による分解と自生種の種子が混在した地域素材を、現地でリサイクルして再生する方法を開発しました。これが「植物誘導吹付工」です。
 植物誘導吹付工は、従来は廃棄物とされていた建設工事などから発生する根株・幹・枝葉を活用した生育基盤材で、これを再び緑化可能な表土層としてよみがえらせ、裸になった地面に還元します。
 循環型社会において、リサイクルは不可欠な手法であり、さらには、移入や輸入した植物の導入をできる限り回避して本来の地域の植生に戻すことが求められています。植物誘導吹付け工は、これらに応えたリサイクル緑化工法です。開発は平成9年より開始し「植物誘導研究会」の設立と共に全国へ向けて発進しています。
 尚、資源有効利用促進法の「グリーン購入法」(環境省、国土交通省、経済産業省)の公共工事の分野において、「伐採材及び建設発生土を用いた法面緑化工法」として平成14年度の特定調達品目に認定されました。

植物誘導吹付工の基本概念

 

 

◎地球温暖化防止のための緑化対策の推進

伐採木をチップ化しこれを生育基盤に換え、耐候性や耐久性に優れる土壌構造に代替えして活用し、緑化や植林を推進することで、地球温暖化防止のためのCO2排出抑制に寄与しています。

 

◎ミティゲーションとしての緑化工レベル向上

ミディゲーションとは様々な開発行為や公共事業の中で、野生生物の種あるいはその生育・生息基盤である生態系の保全に向けた取り組みです。植物誘導吹付工では地域の自生種を優先的に誘導し、多様の植生を作り出すことを目的としています。

 

◎耐久性・安全性を保持する生育基盤の達成

ゆっくりと成長する植物との共生のための耐久性に優れた生育基盤を造成します。

 

無播種で施工した法面(施工後1年)

多種多様な自生種の出現 ススキ・イタドリ・アカメガシワなどが自生

ゼロエミッションに即したリサイクルにより環境負荷を抑制した緑化工法

地域に発生する植物材料を有効活用し、これを現場でのり面緑化の生育基盤に再生する手法をすすめています。この吹付システムは、現地で破壊した植物発生材を用いますが、腐食を阻害する微生物の増殖をおさえ、土壌化をスムーズに促す活性酵素の添加により、理想的な生育基盤を造成します。廃棄処分をしないため材料・運搬コストを縮減します。
植物誘導吹付工の特徴
 
伐採・抜根によって発生する植物発生材をその場または近隣の施工場所で破砕するため廃棄処分費用を削減できます。
 
養水分の吸着、保水性に優れた活性酵素添加剤「はえるちゃん」を混合するため、生チップを使用することによる腐敗や有害物質の発生を回避できます。
 
 
造成基盤の表面は繊維の絡みとともに基盤構造に一定の空隙が確保されています。固相率は35〜40%であり透水性も良好です。また、冬期施工では断熱効果が得られるため凍上の害が回避されます。さらに、活性酵素添加剤の保水力も期待でき土壌の酸素不足による根ぐされも回避されます。耐侵食性は、吹付直後から発揮されます。
 
 
耐侵食性に優れ無播種で5年間放置しても降雨による侵食土砂量がゼロです。即ち、ネット耐久効果が強く作用しています。また、従来の堆肥類の収縮による剥離や乾燥害は見られないことが判明しました。  
 
 
通常の緑化工法に比べて早期の緑化被覆は期待できませんが、約1年経過時点では通常の植生基材吹付工と同様の植被率が得られるとともに、それ以上の多様性に富む植物群落が得られることがわかりました。自然度の高い潜在表土埋土種子や自生種の種子を混合して吹付けることにより、さらに多様性のある植物群落が成立します。
 
 
施工機械プラントがこれまでの植生基材吹付プラントとほぼ変わらず、一貫した連続吹付方式でのり面全体を処理します。
破砕材の腐植分解度に差異が認められますが、植生がランダムでかつ集合した分布となり、初期生育段階より3次元的な植生構造となります。
 
従来の堆肥化した材料では肥沃度が確保されていますが、養分吸収力の高い植物にいち早く吸収され、成長速度の遅い植物にとっては不利な環境となります。しかし当工法は、成長速度の遅い植物に有利となり、一方で周辺植物を誘導する無播種施工にも有利となります。
 

汎用性のある機械システムによる施工

適用範囲
平均圧送距離/120m
直高/40m(40m超の場合は別途補正する)
のり勾配/1:0.5以上
土質/盛土・硬岩のり面
面積/1,000u以上(1,000u未満の場合は別途補正する)
 
名 称 草原タイプ(草本類・低木類) 樹林タイプ(低・中・高木混生)
規 格 数 量 規 格 数 量
破砕材 1.0〜1.5in(38u) 1,500g 1.0〜1.5in(38u) 1,500l
添加剤 はえるちゃん 50Kg はえるちゃん 50Kg
肥 料 高度化成肥料
(15-15-15)
4Kg 樹燐又は高度化成肥料 4Kg
侵食防止剤 高分子系樹脂 5Kg 高分子系樹脂 5Kg

生育基盤厚さの選定フロー(草木類播種工等)

生育基盤厚さの選定フロー(草木類播種工等)

 

施工フロー

施工フロー

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